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信号反射の実験

信号の反射の具合を見る実験だ。
空気中の電波の速度をv0,絶縁物の比誘電率をkとすると、同軸ケーブル中の信号の伝播速度はv=v0/√kである。普通の同軸ケーブルの絶縁物のポリエチレンのkは2.26である。
よって、100mの同軸ケーブルの伝播速度は100/(3×10の8乗/√2.26)で約500nsとなる。

以上のこことを踏まえて下のような回路で実験する。パルスジェネレータの出力インピーダンスは50オーム、100mの同軸ケーブルは5D-2V、ポリエチレン絶縁体とする(同軸ケーブルは巻いてあるので、距離は0mです。オシロスコープの普通のプローブで測っています)。オシロスコープでは基本的にCH1(上の波形)で分岐器からの信号波形を観察し、CH2(下の波形)で終端の両端の信号波形を観察する。

(2013/06/17:追記)分岐器はY型抵抗分配回路を使っていました。50Ωの抵抗を3本パラレルに接続し、16.7Ωとして使用していたようです。
ref_circuit_1_060412.png


最初に終端に50Ωの終端抵抗をつけた場合の波形を見てみる同軸ケーブルのインピーダンスが50オームなので、インピーダンスマッチングしている状態である。上の波形が分岐器で図った波形したの波形が終端で計った波形である。少しなまってはいるがきれいに100mの同軸ケーブルを伝送できている。写真はぼけているが、時間軸は500ns/1divである。ちょうど500ns遅延しているので、計算と合う。
ref_wave_1_060412.jpg


次に終端をオープンにしてみる。こうすると、100mの同軸ケーブルを終端までパルスが伝送して負荷が無限大になるので正方向?で反射する。同様に上が分岐器で見た波形、下が100mの同軸ケーブルの先で見た波形。時間軸は同様に500ns/1divである。上の波形を見ると最初にパルスが立ち上がってから反射の波形が1us後(100m同軸ケーブルを行き帰りする)に出ている。それがまた100m同軸ケーブルを伝送して、下の波形に2番目の反射波形が出ている。3番目くらいまで見える。
ref_wave_2_060412.jpg


これでパルスの幅を増やしてみよう。こうすると一般的な乱れた波形に近くなる。ピンクの→は反射波が加わって波高値があがったところである。(パルスを出してから1us後、行って帰ってきた反射波)このようにだんだんパルスの幅を伸ばすと普通の反射のあるクロック波形に近づく。
ref_wave_3_060412.jpg


もっとパルス幅を伸ばした波形を示す。だいぶ歪んだクロック波形らしくなってきた。
ref_wave_4_060412.jpg


今度は終端をショートに変えてみよう。そうすると反射波はショート回路をスルーしてシールドに入るので、反射波が反対になる。2番目の反射波はー方向、3番目はそれの反対になるので+方向になる。下の終端の信号はショートなので0Vであるため測定しなかった。
ref_wave_5_060412.jpg


今度はオープン同様にパルス幅を伸ばしてみる。今度はピンクの→のところで反射が到着している。(パルスを出してから1us後、行って帰ってきた反射波)今度はショートなので反射の分、波高値が減っている。下の波形はパルスジェネレータのもう1つの出力からの波形だ。インピーダンスマッチングしていれば、こういう波形がでているはずということだ。
ref_wave_6_060412.jpg


このようにインピーダンスの不整合点で反射が起こるのが良くわかる。
線路インピーダンスよりも負荷インピーダンスが高ければ+の方向に、低ければ-の方向に反射が起こるのが、実験をすると良くわかる。
実際の回路ではオープン、ショートほどインピーダンスの不整合が激しいわけでもないが、インピーダンスが不整合だとそれなりに反射が起こる。実際、実験でも100オームの抵抗、コンデンサ、コイルをつけて波形を見るようになっていた。今回は省略したが。。。
本当にいい実験だったと思う。
ちなみにパルスジェネレータの出力インピーダンスを変更することが出来る。今は50オームで使用しているが、HIGHという設定もある。HIGHで反射を見てみると、オープンでは直流になってしまった。反射しまくりなのだろうか? ショートでは発振しているような波形になった。パルスジェネレータの出力インピーダンスによって反射が収まらないので、ひどいことになってしまう。

実際のプリント基板の波形の乱れもこのようなインピーダンスの不整合が関係しているはずだ。インピーダンス不整合点の伝播遅延がわかれば、ある程度どこからの反射かわかり、インピーダンスが高いのか低いのかわかると思う。今の実験は単純なモデルだったが、実際の基板は波形を出力するバッファのインピーダンスや、線路のインピーダンスも違っているし、LやC成分も加わるので単純には比較できないとは思うが、基本は同様だと思われる。
何か間違いや勘違いがあったらコメントをお願いします。

〇沢先生初めて実験したときには感動しました。このようにはっきり反射波を見たことが無かったので。何か問題がありましたら、お知らせください。

<補足>
なぜ100mの同軸ケーブルを使用しているかというと、この実験は30年くらい前に出来た実験で、その当時はオシロスコープが高価だったため、性能の低い(時間分解能の低い)オシロスコープしか学生実験に使えなかった。(たぶん)時間分解能の低いオシロでも見やすいように反射波を遅延するために100mの同軸ケーブルを使用したと思われる。現在の性能の良いオシロでは1mのケーブルでも遅延、反射が良く見えることと思う。
  1. 2006年04月12日 19:55 |
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