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Vivado HLS 2016.4 における assert() 文の効果5(AXI4-Stream版での比較)

Vivado HLS 2016.4 における assert() 文の効果4(自分定義した固定小数点)”の続き。

前回は、アンシャープマスキング・フィルタ単体では、任意精度固定小数点型の方が自分で定義した固定小数点型に比べてリソース使用量が少なくなったという結果だったが、AXI4-Stream インターフェースを被せた状態ではどうなるか?をやってみた。

まずは、変数の変域を指定するために、pow() を使用して、定義値からの生成を行うようにコードを変更した。
それを利用してassert() を書いた。
まずは、任意精度固定小数点型を試してみた。ピンクの枠で示した assert() を追加した。
assert_35_170216.png

C コードの合成結果を示す。
assert_36_170216.png

Analysis 結果を示す。
assert_37_170216.png

37ステートだった。

Analysis 結果で、unsharp_masking() の使用リソースとステート見てみよう。
右上のModule Hierarchy で unsharp_masking をクリックした。
assert_38_170216.png

unsharp_masking() の使用リソースは、FF が 1313 個、LUT が 1331 個だそうだ。ステートは 31 ステートだった。

次に、assert() 文をコメントアウトしてみた。
合成結果を示す。
assert_39_170216.png

LUT が 2244 個から、2262 個に増えていた。FF も 1995 個から 2021 個に増えていた。Latency は同じだった。

Analysis 結果を示す。
assert_40_170216.png

ステートは 38 ステートで変更はない。

Analysis 結果で、unsharp_masking() の使用リソースとステートを見た。
assert_41_170216.png

31ステートで変化はない。FF が 1331 個、LUT が 1357 個だった。assert() が入っているときは、FF が 1313 個、LUT が 1331 個なので、明らかに assert() が無いほうが増えている。

次に、自分で定義した固定小数点型をやってやってみよう。このようにassert() が入っている。
assert_42_170216.png

合成結果を示す。
assert_43_170216.png

FF が 1986 個 、LUT が 1895 個だった。任意精度固定小数点型では、FF が 2244 個、LUT が 1995 なので、明らかに自分で定義した固定小数点型の方がリソース使用量が少ない。単体でテストしたのとは逆の結果になった。
Latency も 3104 クロックに対して、任意精度固定小数点型では 3108 クロックとなっている。

Analysis 結果を示す。
assert_44_170216.png

ステートも 33 ステートだった。こちらも任意精度固定小数点型では、37 ステートだったので、自分で定義した固定小数点型のほうがステートが少ない。

Analysis 結果で、unsharp_masking() の使用リソースとステートを見た。
assert_45_170216.png

FF は 1083 個、LUT は 1245 個だった。任意精度固定小数点型ではFF が 1313 個、LUT が 1331 個だった。

次に、自分で定義した固定小数点型で、assert() をすべてコメントアウトした。
assert_46_170217.png

合成結果を示す。
assert_47_170217.png

FF 、LUT 共に、assert() を入れてあるときと変化が無かった。assert() は効いていない。

AXI4-Stream インターフェースを被せた状態でアンシャープマスキング・フィルタの任意精度固定小数点型と自分で定義した固定小数点型はどっちが使用量が少ないか比べてみたが、自分で定義した固定小数点型の方が少ないという結果になった。これは、アンシャープマスキング・フィルタ単体とは逆の結果だ。

前回は、自分で定義した固定小数点型の方がリソース使用量が少ないという結果になって、自分で定義した固定小数点型を使おうという話になったが、assert() でリソース使用量を減らすことができるし、演算の間違いも少なくなるので、積極的に任意精度固定小数点型を使っていこうと思う。
  1. 2017年02月17日 04:28 |
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